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脚本家の橋田寿賀子さんが亡くなった。95歳でした。橋田さんは【女たちの忠臣蔵】、大河ドラマ【おんな太閤記】、【いのち】、【春日局】、【渡る世間は鬼ばかり】など多くのテレビドラマの脚本をてがけ、ヒット作を連発してきました。なかでも83~84年放送のNHK連続テレビ小説【おしん】は平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%を記録するなど大きな反響を呼ぶとともに海外でも放送され、日本を代表するドラマとなりました。おしんは山形県の貧しい小作農の3女として生まれ育ち、極貧の環境という理由で7歳にして奉公に出される。7歳なら小学校に通う年齢、炊事選択、赤ん坊のお守など大変な苦労をさせられるが、ある日小学校の優しい先生と出会い文字を教えてもらう。長くは続かなかったがそれが初めてのおしんの手習いだっただろう。奉公先での奉公は辛苦に耐えられず、家族のいじめもあり耐えられなくなったおしんは豪雪の吹き荒れる中、実家を目指して奉公先を飛び出し道に迷い遭難する。その現場に通りかかったのが中村雅俊扮する脱走兵だった。彼に助けられ一命を取り止め、その後彼との生活をしばらく続けている間に読み書きを覚え、さらに戦争の残酷さ、平和の尊さを教えられる。続いて坂田の米問屋加賀屋で奉公することとなるが、そこで地主の息子でありながら社会運動に命を懸ける高倉浩太と出会い恋におちる。浩太と駆け落ちする約束を実行に移そうとするが、残念ながら同じく浩太に思いを寄せる加賀屋の娘佳代に騙され、横取りされてしまう。落ち込むおしんにさらに追い打ちをかけるように加賀屋の主人はおしんに婿を取らせようと画策する。嫌になったおしんは加賀屋から逃げ出し実家に帰るが、やはり実家では食べていくことは出来ず、女郎に売られる羽目となり、すんでのところで助かるが、妹のはるを亡くしてしまう。はるの遺言の紙きれ1枚をもって上京し髪結い、今でいうパーマ屋さんに居候として下働きさせてもらう。そこで知り合った田倉隆三と結婚する。毛織物の商売を営みお金持ちであるはずの隆三は、不景気で破産しやる気をなくすが、おしんや源じいさんの励ましで洋服の仕立て屋を始めると、商売が順調になり大きな投資をして工場を作るが、その完成を祝う直前(1923年9月1日)に関東大震災が起こりすべてを失う。すべてを失ったおしん夫妻は、長男の雄を連れて隆三の実家佐賀に行くことになる。しかし、佐賀での暮らしはおしんにとって悲惨なものだった。特に二人目の子供がなくなる場面では涙・涙の連続。我慢に我慢を重ねたけど、右手に力が入らない体にさせられたおしんは東京へ帰ることを決断する。長男の雄とおしんは東京に帰り、髪結いの師匠の下へ身を寄せるが、その時点で手が不自由で髪結いができない体になっていたのだ。その後初恋の高倉浩太の勧めもあり、伊勢の網元神山ひさの世話になる。魚の行商は大変なものだったが、そこでもおしんは努力し、住人の信頼を得て商売を軌道に乗せることができ始める。そんなとき佐賀での有明海の干拓事業で失敗し半ば失念状態で満州行きを決断した隆三と出会い一緒に魚屋を始め、軌道に乗る。魚屋の生活を続けながらおしんは5人の子供の親になる。戦争はどんどん激しさを増し、ついに長男の雄まで戦争に駆り出されることになる。雄は優秀で京都大学の学生であったにもかかわらずである。太平洋戦争は負け戦であり、雄は南方の戦線で戦死してしまうのだ。戦争に加担した隆三は落ち込みその責任を取って自殺してしまう。戦後おしんは商売を始め、軌道に乗り16店舗を経営する経営者となると言ったストーリーだ。
わたしはこのドラマのストーリーで最も印象に残ったのは、中村雅俊扮する脱走兵がおしんに戦争の悲惨さを説くシーンと戦争に反対しなかった自分を嘆くシーンです。なぜ自分は戦争に反対しなかったのだろう?なぜ自分は声を挙げなかったのだろう?戦勝パレードに参加したりして知らぬ間に戦争に加担していたのではないかと悔やむシーンです。お国のために戦うと言って出征した長男の雄が勇猛果敢に戦い戦死したと思っていたが、一発の銃弾も打たず餓死したという事を後になって知ることとなります。この一連の描写で作者の橋田さんは戦争反対を表明したかったのだと思います。
今の日本も戦争反対を表明している学術会議を標的に挙げて、理由もなく任命拒否を行っている政府を見ていると一抹の不安がよぎります。ほとんどの学者が憲法違反を訴えているにもかかわらず、自分の意のままに操れる憲法学者をトップに据えて、集団的自衛権の強行採決、天安門事件の際、人権無視に対する懲罰を与えようと意見した欧米に対し反対した日本、核兵器禁止条約にも署名しない日本、総理大臣を選ぶ選挙自体も公平に出来ない日本、100%安全だと言っておきながら原発事故を起こし、その反省もなく原発に邁進する日本、東日本大震災の復興五輪で金のかからないコンパクトな五輪を目指すなどど声高らかに宣言しながら蓋を開ければ膨大な予算になっている日本、せめてミャンマーの人権被害には毅然とした態度を貫いてほしいものです。
それでは今週も里親募集の欄をお借りして当院で写真を撮った子たちの写真を掲載します。
写真を撮った方は是非お家のわんちゃんねこちゃんを探してみて下さい。
掲載をご希望されない方は、お手数ですが当院までご連絡下さい。(TEL0898-32-6054)
飼い主様が一緒に写っている写真は、飼い主様のご希望がなければ掲載を控えさせて頂いております。
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