ノミ・ダニの予防薬について
20年程前まではノミダニの予防と言えばノミ取り首輪が
主流でした。首輪にピレスロイド系やカーバメイト系の殺虫剤を
染み込ませたものでしたが、効果はいまいちでした。
2009年、背中に落とすスポットタイプのフロントラインスポットが
発売されました。この製品の有効成分であるフィプロニルという物質は
神経物質であるGABAの作用を阻害して神経伝達を遮断することで、
ノミダニに対し高い殺虫効果を持ち、シャンプー後も効果が持続するという
画期的な製品でした。
ところでこのGABAの作用を阻害して神経伝達を遮断することで知られている
イベルメクチンというお薬はフィラリアという寄生虫に効果がある薬です。
2015年のノーベル生理医学賞を授与された大村智先生が発見された
お薬で現在でも世界中で約2億人に投与されているというから驚きです。
2009年にはフロントラインのスポットタイプと同じ時期にスプレーも
発売されました。このスプレータイプは最も安価な製品だと思いますが、
ちょっと使い勝手悪いという難点を持っています。
2014年、経口薬のネクスガードという製品が発売されました。
この製品を食べるとアフォキソラネルという成分が血液中に取り込まれ,
ノミダニが吸血すると効果が出るという仕組みです。
2016年、経口薬で1回飲ませると3か月効くブラベクト錠という製品が
発売されました。先程のネクスガードというお薬は、ノミダニに対して1カ月
しか有効期間がなかったけれど、このブラベクト錠は3か月持続するという
すぐれものです。