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マーズ2020ミッションとは何のことか?それは、アメリカ航空宇宙局 (NASA) 火星探査プログラムによるミッションであり、その主な目的は火星に存在していたかもしれない微生物の痕跡を探すことです。またもうひとつの目的が、欧州宇宙機関(ESA)と共同で火星からのサンプルを持ち帰ることです。リターンミッションを計画しており、 2021年2月に火星のジェゼロ・クレーターへ着陸したPerseverance(火星探査車)は合計2本の岩石サンプルを採取することに成功しました。
上はコンセプト画像。そのサンプルを入れた保管容器は球形のコンテナに移し替えられた状態で火星の地表から打ち上げられ(左)、軌道上で帰還用の探査機がキャッチ(中央)。コンテナは回収カプセルに収容され、探査機によって地球まで運ばれる(右)
サンプルが地球に到着するのは、早ければ10年後の2031年が計画されています。いまの小学生が社会人になる頃には火星の岩石が地球の研究施設で分析され、歴史に残る発見が世界中の人々を驚かせているかもしれません。
このようなミッションは大きな夢を叶え、すばらしいことであることには疑いの余地もありません。しかし、私はこのような未知の究明をして驚く人が増えるより、今地球が直面している危機に対して其れをくい止めるべき方向に力を注いでくれることを期待します。
2020年7月20日、ホッキョクグマが2100年までにほぼ絶滅すると予想した論文が英国の科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに掲載されました。実際、シロクマとも呼ばれて親しまれているホッキョクグマの数は過去10年間で半分近く減っています。なぜホッキョクグマは絶滅の危機にあるのでしょうか。それは、ホッキョクグマの生態に関連しています。ホッキョクグマは、野生の場合25〜30年とされる生涯のほとんどを氷で覆われた海の上で過ごします。ホッキョクグマにとっての海氷は、狩りをしたり、休んだり、子を育てる暮らしの場です。ところが、この生きていくための場所自体が消えつつあります。過去30年の間に、北極の夏の海氷はなんと75%が消えたそうです。
これは地球温暖化のためらしい。北極地域では、「北極の温暖化増幅」として知られている現象が原因で、地球全体の平均の2倍以上のスピードで温暖化が進んでいます。ホッキョクグマが絶滅の危機にある理由は、人間が引き起こした地球温暖化なのです。北極は、海氷があることで地球のエアコンのような役割をしているだけでなく、嵐などの悪天候を防いでいるのです。海氷が溶けてなくなってしまうことは、地球のエアコンが壊れてしまうことを意味しています。地球温暖化により減少した北極の海氷は、ホッキョクグマを絶滅の危機に追い込むだけでなく、地球全体における猛暑や豪雨などの異常気象も引き起こしているのです。
ホッキョクグマの生存は、北極の夏の海氷が75%消えてしまったことにより、危機にさらされています。そして、原因である地球温暖化は、北極では世界の平均の2倍のスピードで進んでいます。
このままでは、2030年の初めには、北極の夏の海氷がなくなると予測されています。そして、すみかを追われたホッキョクグマが生き延びる可能性を奪うのです。残された時間は多くありません。一人一人の人間が真剣に考え、取り組まなければならないと考えていますが、総裁選を見ていても偉い方々は真剣に温暖化対策を考えているのだろうかと疑心暗鬼になってしまいます。
それでは今週も里親募集の欄をお借りして当院で写真を撮った子たちの写真を掲載します。
写真を撮った方は是非お家のわんちゃんねこちゃんを探してみて下さい。
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